2024年2月5日 12:00 AM
国連世界観光機関(UNWTO)によると、23年に世界各地が受け入れた海外からの宿泊を伴う国際旅行者は12億8900人となった(推定値)。前年比33.9%増で、コロナ禍前の19年の9割近くまで回復した。コロナ下で抑圧されていた旅行需要が顕在化した。24年は19年を2%を上回ると予想し、過去最多の14億9000万人規模に達する可能性がある。
最も回復が進んだのは中東。8710万人と他地域に比べて訪れる旅行者数は多くないが、19年比22.1%増と唯一、地域別でコロナ前を超えた。
欧州(5.7%減)、米大陸(9.6%減)、アフリカ(3.9%減)はコロナ前の一歩手前。より細分化して見ると、欧州では南部や地中海エリア、米大陸ではカリブ海や中米、アフリカ北部への旅行者はすでに19年を上回っている。
一方、アジア太平洋は35.2%減。特に日本を含む北東アジアが45.1%減で回復の遅れが目立った。
受け入れ地域が稼いだ国際観光収入は1兆4000億ドルで19年の93%水準。国別では、10月または11月までの動向に限るが、セルビア(79%増)、パキスタン(77%増)、トルコ(59%増)、ルーマニア(48%増)、ポルトガル(38%増)などが19年を超えた。
これを送り出し国ベースで見た場合、イタリアは15%増、ドイツが14%増、米国が13%増となり、海外旅行が活発であることが分かる。フランスは横ばいだった。
中国に関しては、アウトバウンドとインバウンドの両面で今後回復が加速すると予想する。中国政府は12月、フランスやドイツなど6カ国に中国入国時のビザを免除した。24年はビザ発給が円滑となり、航空輸送能力も向上すると見ている。
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