2023年11月13日 12:00 AM
全国の主な空港ビル会社40社の23年3月期の業績は、売上高の合計が1606億4900万円(前期比69.4%増)とコロナ禍からのV字回復を果たし、2期連続の増収となった。ただしコロナ禍前に比べると、まだ2分の1の水準。最終損益の合計は78億9200万円の赤字(前期は350億8500万円の赤字)。最悪期を脱して経営状況は大幅に改善したものの、黒字転換はできず、3期連続の赤字となった。
東京商工リサーチ(TSR)の調査によるもので、移動制限の緩和や訪日客の回復などから、全国の乗降客数が前期の約2倍に増えた。利用客の増加で40社のうち39社が増収に転じた。
売上高のトップは、羽田空港の旅客ターミナルを管理・運営する日本空港ビルデングの882億1200万円(前期比65.9%増)で、国内客が戻り増収率は6割を超えた。2位は羽田の国際線旅客ターミナルを管理・運営する東京国際空港ターミナルで、インバウンド需要が戻り始め286億2300万円(同202.3%増)と約3倍に増えた。
ただし経常損益で見ると、羽田空港は路線によって明暗を分けた。国内線(日本空港ビルデング)は経常黒字で、国際線(東京国際空港ターミナル)は経常赤字。それぞれ群を抜いてトップ。国内需要の回復が先んじた結果が鮮明に表れた形となった。
航空部門と非航空部門の一体経営型による空港運営会社は全国で14社21空港ある。このうち売上高・最終損益とも判明した12社は乗降客数の増加で全社が売り上げを回復させたが、経常損益・最終損益ベースで黒字となったのは神戸空港を運営する関西エアポート神戸の1社のみだった。その他の11社は黒字転換できず、採算ベースに乗せられていない。
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