2023年9月18日 12:00 AM
迷惑客の宿泊を拒否できるようになる改正旅館業法の年内施行に向け、厚生労働省の検討会は今後の省令改正で定める指針のたたき台として、宿泊拒否ができる具体例を示した。他の宿泊者に対するサービスの提供を著しく阻害する恐れがある要求を繰り返す「特定要求行為」の一例として挙げたのは、長時間にわたる(または叱責しながらの)不当な要求や土下座での謝罪を求めること。不当な割引や慰謝料、部屋のアップグレード、契約にない送迎など、過剰なサービスを求める行為も対象に含めた。
コロナ禍で話題となったマスク着用に関しても触れ、マスクを着用しないことに他の宿泊客が苦情を言わないよう注意することを要求する行為も挙げた。泥酔した者の宿泊も拒否できる。
いずれも従業員にとって過剰な負担となる要求が繰り返し行われることが要件のポイント。宿泊サービスは一般的に長時間にわたっての提供となるため、施設側から注意喚起や理解を求めることで、事態の改善が期待できる余地もあるとの考えからだ。
過剰や不当な求めに当たらないものとしては、施設側の故意または過失により被害を被ったことに対して何かしらの妥当な対応を求めることや、障害者が不当な差別的な扱いを受けて謝罪を求めることなどを挙げた。改正宿泊業法でも宿泊拒否は原則禁止であることには変わらず、障害者への対応や配慮が過重な負担と解釈されることがないよう、障害があることを理由に宿泊を拒むことは当然できないことをあらためて指摘した。
一方、エボラ出血熱・結核等の1類・2類感染症や新型インフルエンザなど特定感染症の患者らの宿泊は拒否できることになっている。
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