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22年度の旅行業者取扱額、コロナ禍前の6割超に回復 東武トップと富士急が19年比プラス

2023年6月26日 12:00 AM

 主要旅行業者43社の22年度(22年4月~23年3月)の総取扱額は、前年度比99.7%増の2兆9101億9336万円と倍増し、3兆円目前まで回復した。2年連続のプラスで19年度の63.7%の水準まで戻った。コロナ禍が収束に向かい、昨年10月に始まった全国旅行支援や水際対策の緩和が大きなターニングポイントとなった。

 国内旅行は2兆3898億5008万円で、19年度の93.5%まで回復した。外国人旅行は657億5424万円で19年度の29.5%の水準ながら、国内旅行と外国人旅行はともに、第4四半期だけで見ると19年度の実績を上回った。これに比べて海外旅行の回復は遅れており、4545億8903万円で19年度の25.4%のレベル。それでも第4四半期には60.0%まで回復した。

 ただし募集型企画旅行の取扱額・人数を見ると、海外旅行の戻りの遅さは顕著。国内旅行は19年度に比べて取扱額が72.5%、人数は69.2%と7割前後まで戻したのに対し、海外旅行は取扱額4.2%、人数2.8%と5%にも満たない状況にある。外国人旅行も取扱額6.1%、人数2.7%と、コロナ禍前の水準には程遠い。

 企業別では全社が総取扱額で21年度を上回り、東武トップツアーズと富士急トラベルが19年度比でもプラスとなった。東武トップは、国内旅行に加え自治体等の課題解決を図るソーシャルイノベーション事業が大きく伸びたことが主な要因。富士急トラベルはグループのアトラクション施設の取り扱いなど商品の拡充が背景にある。

 上位10社の顔ぶれは変わらないが、東武トップは21年度の7位から4位に順位を上げ、20年度以降、順位を大きく下げていたエイチ・アイ・エス(HIS)は10位から6位に浮上した。

【あわせて読みたい】21年度の旅行業者取扱額40%増 2年ぶり1兆円台 コロナ前の3割水準[1] 20年度の旅行業者取扱額78%減 上位企業に変動、コロナの影響色濃く[2]

Endnotes:
  1. 21年度の旅行業者取扱額40%増 2年ぶり1兆円台 コロナ前の3割水準: https://www.tjnet.co.jp/2022/06/06/21%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e3%81%ae%e6%97%85%e8%a1%8c%e6%a5%ad%e8%80%85%e5%8f%96%e6%89%b1%e9%a1%8d40%ef%bc%85%e5%a2%97%e3%80%802%e5%b9%b4%e3%81%b6%e3%82%8a1%e5%85%86%e5%86%86%e5%8f%b0%e3%80%80%e3%82%b3/
  2. 20年度の旅行業者取扱額78%減 上位企業に変動、コロナの影響色濃く: https://www.tjnet.co.jp/2021/06/07/%e6%97%85%e8%a1%8c%e6%a5%ad%e8%80%85%e5%8f%96%e6%89%b1%e9%a1%8d%e3%80%8120%e5%b9%b4%e5%ba%a678%ef%bc%85%e6%b8%9b%e3%81%a8%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e3%81%ae%e5%bd%b1%e9%9f%bf%e8%89%b2%e6%bf%83/