Travel Journal Online

海外留学生を年間50万人に倍増へ 政府方針 高校の段階で派遣促進

2023年5月15日 12:00 AM

 岸田首相を議長とする政府の教育未来創造会議は、第2次提言「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ」を取りまとめた。これまで年間30万人の外国人留学生受け入れを目標に掲げてきた「留学生30万人計画」を抜本的に見直す。日本人学生の留学をコロナ前の2倍以上に拡大する計画を新たに織り込み、外国人留学生の受け入れ施策も継続・強化して、コロナ後のグローバル社会を見据えた人への投資のあり方を示した。

 数値目標として33年までに日本人の海外留学生を50万人(コロナ前22.2万人)に増やし、非英語圏のフランス・ドイツと同等の水準にする。外国人留学生は40万人(同31.8万人)を目標に据え、留学生30万人計画での受け入れ増加ペースを維持する。

 大学だけでなく、高校の段階での留学による人的交流の促進を提言した。日本人学生は3カ月未満の研修旅行をコロナ前の4.3万人から11万人に、3カ月以上の留学を4000人から1万人に、それぞれ3倍に近い拡大を目指す。外国人の高校生も6000人から2万人に受け入れを拡大する。

 高校から大学院までの段階を通じた日本人の留学を推進するため、SNS等を活用して留学の意義や奨学金制度の広報を強化する。留学費用負担の軽減に向けて、給付型奨学金の拡充、企業による代理返還制度の活用促進、地方公共団体による返還支援など、官民一体での取り組みも提言した。

 日本の若者は諸外国に比べて留学への意識は低いとされる。主に長期の海外留学者数(文部科学省調査)は00年初頭の約8万人から12年には約6万人まで減少。その後19年に至るまでおおむね横ばいが続いた後、20年には約4.3万人まで減少した。

【あわせて読みたい】留学・ワーキングホリデー促進へ支援策 危機管理や資金の悩み解消[1] 観光立国推進基本計画、人数から質重視に転換へ[2] JTB、働き方改革で最大2年の休職可能に 資格取得や留学対象[3]

Endnotes:
  1. 留学・ワーキングホリデー促進へ支援策 危機管理や資金の悩み解消: https://www.tjnet.co.jp/2022/08/01/%e7%95%99%e5%ad%a6%e3%83%bb%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%ad%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%83%9b%e3%83%aa%e3%83%87%e3%83%bc%e4%bf%83%e9%80%b2%e3%81%b8%e6%94%af%e6%8f%b4%e7%ad%96%e3%80%80%e5%8d%b1%e6%a9%9f%e7%ae%a1/
  2. 観光立国推進基本計画、人数から質重視に転換へ: https://www.tjnet.co.jp/2023/02/20/%e8%a6%b3%e5%85%89%e7%ab%8b%e5%9b%bd%e6%8e%a8%e9%80%b2%e5%9f%ba%e6%9c%ac%e8%a8%88%e7%94%bb%e3%80%81%e4%ba%ba%e6%95%b0%e3%81%8b%e3%82%89%e8%b3%aa%e9%87%8d%e8%a6%96%e3%81%ab%e8%bb%a2%e6%8f%9b%e3%81%b8/
  3. JTB、働き方改革で最大2年の休職可能に 資格取得や留学対象: https://www.tjnet.co.jp/2021/04/05/jtb%e3%80%81%e6%9c%80%e5%a4%a72%e5%b9%b4%e3%81%ae%e4%bc%91%e8%81%b7%e5%8f%af%e8%83%bd%e3%81%ab%e3%80%80%e8%b3%87%e6%a0%bc%e5%8f%96%e5%be%97%e3%82%84%e7%95%99%e5%ad%a6%e5%af%be%e8%b1%a1%e3%80%80/