2023年5月8日 12:00 AM
コロナ禍を経た昨今の富裕層旅行で大きく伸びているのは、離れていた家族と再会するための家族旅行や我慢していた旅を再開するリベンジ旅行――。ILTM(インターナショナル・ラグジュアリー・トラベル・マーケット)の日本事務局が4月に開催したウェビナーでこんなトレンドが紹介された。約500人を対象にILTMと富裕層専門の市場調査会社Altiantが調査した。今後も、自粛期間に貯めた資金を思い出に残るユニークでスタイリッシュな旅に使いたいと考えている人が多い。
環境への負荷軽減などサステナビリティーに対する意識もより一層高まっている。航空機の利用頻度を減らし、1週間以上の休暇をゆっくり過ごしたい傾向が強く表れた。
一方、後退しているのは、コロナ禍で余儀なくされたプライバシーの重視や国内旅行だ。他者と距離を置いていた日常から一転、現在は他者と同じ時間を共有できる社交性を求め、控えていた海外旅行への関心が高まっている。
また、旅行計画のヒントを得る際、ソーシャルメディアやインフルエンサーの影響力はかつてより弱まっており、具体的な計画に必要不可欠なのは旅行会社だという。最新の情報提供や柔軟な対応力に加え、持続可能な旅に関するオプションの提案や地域コミュニティーへの貢献といったサポートが期待できるからだ。
ILTMは世界の富裕層を扱う旅行業者とプロダクトをつなぐ商談会。22年12月のILTMカンヌで関心の高かった上位10項目を見ると、ラグジュアリーホテルなど宿泊施設のほかに、家族旅行、ガストロノミー、ウエルビーイングなどが入り、モノよりコト、健康、安全などを支持しているのが分かる。
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