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1~3月の訪日旅行単価、19年比44%増 旅行者急増で消費額1兆円台回復

2023年5月1日 12:00 AM

 観光庁は1~3月期の訪日外国人消費動向調査で、クルーズを除く一般客1人当たりの旅行支出を19年同期比43.8%増の21万1957円と推計した(速報値)。データが明らかとなっている22年1~3月期以降、単価はコロナ禍前を上回る状況が続いており、旅行者数(478.7万人)を掛け合わせた訪日旅行消費額は1兆146億円となった。四半期ベースで1兆円の大台を回復するのは19年10~12月期以来。

 国籍・地域別で支出額が高かったのは中国74万6591円(19年比241.9%増)、オーストラリア35万8476円(46.0%増)、フランス30万69円(70.9 % 増)の順。費目別では宿泊費、飲食費、娯楽等サービス費、買い物代で中国が、交通費はスペインが最も高い結果となった。

 観光・レジャー目的の訪日客に絞ると、平均で19年同期比28.3%増の18万5616円だった。中国の45万5800円(108.7%増)を筆頭に、オーストラリア36万1479円(42.4%増)、フランス31万8318円(51.0%)と続いた。費目別では宿泊費、飲食費、娯楽等サービス費でオーストラリアが、交通費と買い物代で中国が最多。なかでも中国人の買い物代は19万4904円となり、2位のシンガポール、3位の香港の2.6倍以上と大きく差をつけ、存在感が依然として際立っている。

 ただし、中国からの訪日客数は他の主要国・地域に比べて回復が大幅に遅れ、1~3月は約14万3000人と19年同期の92.3%減にとどまる。このため、旅行消費額全体に占める割合は、1位韓国(1999億円/シェア19.7%)、2位台湾(1535億円/15.1 %)で、3位が中国(1069億円/10.5%)だった。19年1~3月期は中国が36.9%と圧倒的なシェアを占め、2位韓国は13.3%だった。

【あわせて読みたい】観光立国推進基本計画、人数から質重視に転換へ 新目標案に持続可能な観光地域数[1] 2023年4月3日号>量から質への大転換 新観光立国推進基本計画の検証[2] 量から質への大転換 新観光立国推進基本計画の検証[3]

Endnotes:
  1. 観光立国推進基本計画、人数から質重視に転換へ 新目標案に持続可能な観光地域数: https://www.tjnet.co.jp/2023/02/20/%e8%a6%b3%e5%85%89%e7%ab%8b%e5%9b%bd%e6%8e%a8%e9%80%b2%e5%9f%ba%e6%9c%ac%e8%a8%88%e7%94%bb%e3%80%81%e4%ba%ba%e6%95%b0%e3%81%8b%e3%82%89%e8%b3%aa%e9%87%8d%e8%a6%96%e3%81%ab%e8%bb%a2%e6%8f%9b%e3%81%b8/
  2. 2023年4月3日号>量から質への大転換 新観光立国推進基本計画の検証: https://www.tjnet.co.jp/2023/04/02/contents-172/
  3. 量から質への大転換 新観光立国推進基本計画の検証: https://www.tjnet.co.jp/2023/04/03/%e9%87%8f%e3%81%8b%e3%82%89%e8%b3%aa%e3%81%b8%e3%81%ae%e5%a4%a7%e8%bb%a2%e6%8f%9b%e3%80%80%e6%96%b0%e8%a6%b3%e5%85%89%e7%ab%8b%e5%9b%bd%e6%8e%a8%e9%80%b2%e5%9f%ba%e6%9c%ac%e8%a8%88%e7%94%bb%e3%81%ae/