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兵庫県、外国人消費単価倍増へ 新観光戦略案 テロワール旅でブランド確立

2023年1月23日 12:00 AM

 兵庫県は27年度までの5カ年計画「ひょうご新観光戦略」を策定する。コロナ禍で生じた旅行志向や社会潮流の変化、インバウンドの動向に対応し、旅の高付加価値化と長期滞在化を目指す。23年は7~9月にJR各社と連携した兵庫デスティネーションキャンペーンを予定し、25年の大阪・関西万博、27年のワールドマスターズゲームズ関西など、誘客への好機となる大型イベントが控える。30年前後をめどに国際定期便の就航が計画されている神戸空港の国際化も視野に入れ、兵庫観光の飛躍につなげる狙い。

 このほど公表した案によると、「兵庫テロワール旅」を基軸にした本物志向の観光を通じて、より深く、何度でも訪れたい意欲を喚起することを目指す。主な重点業績評価指標(KPI)として、平均泊数を1.22泊から沖縄など全国上位3都府県並みの1.5泊へ引き上げ、外国人消費単価を3万円から6万円へ倍増させる。

 テロワールとは、その土地の風土や文化を深く知ることで、その土地に根付いた食、文化、伝統などをより本質的に理解して楽しもうとすること。兵庫県は多彩な風土に恵まれ、多くの食材や文化が受け継がれており、旅のコンテンツとしてさらに磨き上げてHYOGOブランドを確立する。

 兵庫県の宿泊客は9割が日本人と国内市場が中心。訪日市場は旅行者数こそ19年に全国11位と上位だが、消費単価は41位にとどまる。誘客推進に向け、ターゲット国・地域を強化の方向性などで分類。高付加価値旅行者向けのアプローチでは、チャーターヘリとクルーズ船を生かした周遊コンテンツの開発、古民家等の宿泊施設と地域コンテンツを活用したモデルツアーの造成などに取り組む。