2022年12月19日 12:00 AM
農林水産省は、訪日外国人を農山漁村に呼び込むことを目的に創設した「農泊 食文化海外発信地域(SAVOR JAPAN/セイバージャパン)」として、今年度は新たに4地域を認定した。農泊(農山漁村滞在型旅行)を推進している地域のうち、特に食と食文化の魅力を伝えることで外客誘致を図る優れた地域の取り組みを認定し、支援していく。セイバーとは英語で「味わう、楽しむ」の意。16年度の制度創設から数え、現時点で計41地域となった。
新たに認定したのは、北海道網走市(鮭料理)、愛知県田原市(渥美あさりの押し寿司)、広島県呉市(牡蠣めし/牡蠣エスカベーチェ)、熊本県阿蘇市(あか牛・高菜漬け)。例えば田原市は渥美半島の食の歴史を打ち出す。多数の貝塚が存在し、約3000年前の縄文晩期から貝を食してきたことが知られており、貝料理と地域資源を生かした体験プログラムを提供する。阿蘇市は草原育ちのあか牛や発酵食品など、食のストーリーを生産者や料理人との交流を通じて発信する。
海外における日本食・食文化に対する関心は、和食のユネスコ無形文化遺産登録や国際博覧会等の場での紹介などを通じて近年大きく高まり、本場で日本食を体験したいというニーズも強まっている。農水省は地域の食の魅力をSAVORブランドで海外に一体的かつ強力にアピールすることで、訪日需要の農山漁村への呼び込みを目指す。
認定の有効期間は5年間で更新は妨げない。認定されると、民間団体の推進協議会が窓口となって一体的な情報発信をはじめ、地域開発のための有識者やアドバイザーの派遣・紹介、コンテンツやストーリーづくり、旅行商品づくり、認定地域間のネットワーク構築等を支援する。
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