2022年12月19日 12:00 AM
沖縄県竹富町は西表島の自然資源の観光利用を適切に管理するため、立ち入りを制限する。環境省がこのほど認定したエコツーリズム推進全体構想に盛り込んだ。西表島は世界自然遺産に昨年登録され注目が高まっているが、近年、体験型観光の増加に伴い環境への影響が課題となっていた。来訪者と事業者双方の利用ルールを明確にし、約1年の周知期間を経て23年12月末から施行する。
西表島とその周辺海域を、原則として観光利用不可の「保護ゾーン」、一定のルール下で観光利用を行う「自然体験ゾーン」、特に制限しない「一般利用ゾーン」の3つに分類する。このうち自然体験ゾーンで5カ所を特定自然観光資源に指定し、観光客数を制限する。ヒナイ川は1日の上限が200人、テドウ山は30人。立ち入りには町の承認が必要となり、今後整備する事前予約システムで管理する。
一般利用者向けにルールやマナー、配慮事項など26項目を設ける。事業者向けには個別ルールを設定し、例えば北東エリアを訪れる体験ツアーの場合、ガイド1人当たりの案内人数を8人以内に抑制する。
町は西表島で自然資源の観光ガイドを行う事業者を免許制としてきたが、1月から守るべきルールを明文化して順守を促す。自然観光課によると、事業者の増加に伴い、カヌーなど資材をフィールドに放置したり、私有地の木を切るなどの行為が問題視されている。
エコツーリズム推進法に基づき認定される全体構想は西表島で22件目。市町村が特定自然観光資源に指定すれば立ち入り制限を行える。西表島に先駆け、北海道弟子屈町は20年に全体構想を見直し、硫黄山の噴気孔への客数を制限している。
【あわせて読みたい】白川郷が観光公害対策で入域制限、事前予約や有償化でイベントの混雑緩和[1]
Copyright © TRAVEL JOURNAL, INC. ALL RIGHTS RESERVED.