2022年12月12日 12:00 AM
JTBの旅行動向見通しによると、新型コロナウイルスの世界的流行から3度目の年末年始は、海外旅行者が15万人と前年の7.5倍に拡大するものの、19年の18.1%にとどまる見通しだ。1人当たりの旅行費用は26万円で、19年より28.7%多く、00年以降の調査で最も高い。円安や現地滞在費の増加、燃油サーチャージの高騰が影響している。一方、国内旅行者は前年比16.7増の2100万人で19年の71.8%水準と推計した。
12月23日~23年1月3日に1泊以上の旅行に出かける人を対象に、アンケートや経済指標、業界動向、予約状況などから推計した。1万人に実施したアンケートでは、「いつもより生活費を節約している」(16.6%)が「特に節約していない」(5.8%)を大きく上回り、財布のひもが固くなっている状況がうかがえる。
海外旅行の実施に関しては、国際情報や感染症への不安を理由に今年度は旅行しないとの回答が22.3%と最多。これとほぼ並び、円安や物価上昇を理由に旅行しない人も21.8%を占めた。その一方で、「趣味や旅行などにかける費用は減らしていない」(7.1%)との回答も割合は少ないながら拡大。これらを総じて、今年の年末年始は経済的に比較的余裕がある層や明確な目的のある層が出かけると見ている。
今後1年間の旅行支出に対する意向は、支出を減らしたいが44.1%を占め、21年度調査から10.3ポイントも増加。今後に不安を残した。
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