空港から遠い地域の活性化に挑戦 首都圏から京丹後へ誘客 ピーチとウィラーが連携

2022.08.08 00:00

左からピーチの森CEO、京丹後市の中山泰市長、ウィラーの村瀨茂高代表取締役

 京都府北部に位置する京丹後市とピーチ・アビエーション、ウィラーの3者は、空港から離れた地域の地方創生に挑戦する共同プロジェクトを開始した。京丹後市は空港や新幹線の駅から離れており、東京から最も遠い地域ともいわれる。ここに首都圏など遠方からの誘客を拡大するため、関西空港を拠点とするピーチ、京都丹後鉄道の運行やMaaSの展開などでかねてから京丹後市と深い関係を続けてきたウィラーが、市の仲立ちでタッグを組む。

 プロジェクトでは、京丹後市が長寿のまちとして知られていることから、長寿をテーマとした旅行商品を年内にも開発する。移動自体も楽しめるよう、LCC、バス、鉄道という異なるカテゴリーの交通機関が連携する。市は自主財源の拡充と関係人口の拡大に向けてふるさと納税に力を入れており、日本初となる機内からの寄付実現へ9月から実証実験を開始。返礼品にピーチの航空券と市内の宿泊券をセットにした旅行クーポンを加えて訪問を促す。都内の高校では京丹後市の事例から日本の地方創生を考える授業も行い、ピーチの森健明代表取締役CEOと京丹後市の濵健志朗副市長が講師を務める。

 京丹後市は観光を主要産業の1つに据えるが、市を訪れる93%が近畿在住者。今後の需要拡大には首都圏エリアなどからの誘客が不可欠であり、大阪・関西万博を機にインバウンドの取り込み拡大も目指す。

 今年で就航10周年を迎えたピーチは創業以来、地域経済活性化に取り組んできたが、就航地周辺にとどまらず空港から離れた地域の需要掘り起こしは今後のビジネス拡大に非常に重要として力を入れる。今回のプロジェクトの成果を踏まえ、他の地域でも展開していく意向だ。