2022年7月25日 12:00 AM
アジア初の商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を活用して観光振興とまちづくりを進めようと、北海道大樹町とHOSPOを管理運営するスペースコタン、日本旅行の3者がパートナーシップ協定を締結した。HOSPOは宇宙産業の関係者が誰でも自由に使える宇宙港として21年4月に本格稼働。宇宙産業は観光や教育事業とも関わりが深いことから、スペースツーリズムを通じた地域経済活性化を図る。
大樹町は宇宙版シリコンバレーを描き、国の認可取得や管理運営を担うスペースコタンを設立してHOSPOを開港した。世界的に拡大している小型人工衛星の開発・打ち上げ需要に応える。これと並行してHOSPOの施設やロケットの開発・打ち上げを軸に観光客を誘致し、最先端の民間宇宙ビジネスが学べる教育事業の展開、宇宙関連施設の整備等による地域づくりに取り組む。
提携の第1弾として、日本旅行は7月から、総務省の地域活性化起業人制度を活用して社員1人を大樹町に派遣した。注目が高まるSTEAM教育を踏まえた修学旅行や社会見学の商品、企業等の視察旅行・ワーケーション商品を開発する。受け入れ体制では、魅力を伝えられる地域ガイドの育成・研修、宿泊や食事施設の協力体制も整備する。
会見した日本旅行の小谷野悦光代表取締役社長は、「宇宙は教育旅行分野にとって新鮮な素材であり、早めに具体的なテーマを掲げたい。視察旅行は今秋からスタートさせ、来年には国際スペースポートサミットの誘致を目指して準備を進めたい」と意欲を示した。
日本旅行は早くから宇宙関連のツアービジネスに積極的で、20年に宇宙事業推進チームを設置。星空を活用した地域創生や先端技術を学ぶ教育プログラムなどを展開している。
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