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上半期の倒産、旅行業は4割減 宿泊業は金融支援効果で2年連続減

2022年7月25日 12:00 AM

 東京商工リサーチ(TSR)によると、22年上半期(1~ 6月)の旅行業の倒産件数は前年同期比38.8%減の11件と4年ぶりに前年同期を下回った。上半期では過去20年間で最少件数。

 3月に全国でまん延防止等重点措置が解除されたものの、コロナ禍の長期化によって旅行業者への影響は深刻化している。コロナ禍の関連倒産は10件で9割に達しており、TSRは「再び増加傾向にある感染者数の動向によっては、さらなる増勢懸念も高まる」としている。

 宿泊業の倒産は4.6%減の41件で、2年連続で前年同期を下回った。コロナ禍の影響で20年上半期は過去20年で2番目の規模まで増加したが、政府等の金融支援により21年同期は減少に転じ、22年同期は小康状態を維持している。ただ、今後も予断を許さない状況が続くとみている。

 負債総額は旅行業が33.7%減の11億6000万円で、2年連続で前年同期を下回った。負債1億円以上の倒産はアイ・テイ・エスなど前年同期と同数の2件にとどまり、倒産件数の減少が負債を押し下げた。

 宿泊業は87.5%減の148億9500万円で2年ぶりに前年同期を下回った。前年同期は14年ぶりとなる負債1000億円超の大型倒産が発生したことの反動で負債を押し下げた。

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Endnotes:
  1. 観光白書、事業者の厳しさくっきり 負債比率高く 黒字は支援策が下支え: https://www.tjnet.co.jp/2022/07/04/%e8%a6%b3%e5%85%89%e7%99%bd%e6%9b%b8%e3%80%81%e4%ba%8b%e6%a5%ad%e8%80%85%e3%81%ae%e5%8e%b3%e3%81%97%e3%81%95%e3%81%8f%e3%81%a3%e3%81%8d%e3%82%8a%e3%80%80%e8%b2%a0%e5%82%b5%e6%af%94%e7%8e%87%e9%ab%98/
  2. 旅行業の6割が最終赤字に転落 TSR調査 コロナ初年度より業績悪化: https://www.tjnet.co.jp/2022/04/11/%e6%97%85%e8%a1%8c%e6%a5%ad%e3%81%ae6%e5%89%b2%e3%81%8c%e6%9c%80%e7%b5%82%e8%b5%a4%e5%ad%97%e3%81%ab%e8%bb%a2%e8%90%bd%e3%80%80tsr%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e3%80%80%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e5%88%9d/