2022年7月11日 12:00 AM
北海道清水町は民泊を活用した地域経済の活性化を目指し、「まちまるごとホテル」構想の実現に取り組む。阿部一男町長が自ら自宅でホストを務め、町職員が副業として自宅で民泊経営することを認める。移住体験者用の5軒の町営住宅も民泊施設として開放する。農業が中心の町には宿泊施設は少なく、ネットで予約できるのは1軒しかないため、民泊の展開で特に都市部からの宿泊を伴う観光客の受け入れや長期滞在ができる受け皿を整備する。関係人口を増やしながら、若者層の移住促進につなげていきたい考え。
エアビーアンドビー日本法人と包括連携協定を結んだ。サイトに施設を登録し、同社のネットワークによる情報発信や観光促進へのノウハウ提供などで協力を求める。エアビーと自治体・観光機構との提携はこれで10件目だが、町長が自らホストを務めたり、町職員の自宅や町営施設も民泊に活用する大胆な取り組みは全国初の試み。
清水町は北海道のほぼ中央に位置する交通の要衝で雄大な自然・景観も広がるが、魅力の情報発信力不足もあって観光客は通過してしまうことが多いという。また、少子高齢化により空き店舗や空き家等の遊休不動産が増加する社会問題も深刻になっている。
この状況を打破しようと町長が陣頭指揮を執り、自宅を改装して宿泊客を呼び込み、町の魅力をPRしていく。観光協会や移住促進協議会の関係者にも民泊経営に協力を呼びかける。町民との触れ合いのなかから清水町を第2のふるさとと考えるファンを増やす。
今後約1年で既存の旅館4軒を含め10~20軒程度を掲載できるようにする。空き家や遊休資産を活用し、まち全体を1つのホテルに見立てて人を迎え入れるまちづくりを目指す。
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