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観光庁、観光再生と産業強化へ方向性 地域の面的DXや事業モデル転換

2022年6月13日 12:00 AM

 観光庁の検討会はアフターコロナを見据えた観光地・観光産業の再生へ、国が今後取り組むべき主な施策として、観光地の面的な再生・高付加価値化の推進、持続可能な観光地経営の確立を求めた。宿泊業では企業的経営への転換、旅行業では価値創造型ビジネスへの転換と送客型から誘客型へのシフトが必要だと指摘した。

 日本経済を再び成長させるには、地域活性化の牽引役である観光と産業の役割が極めて重要となるが、特に地方に疲弊が見られ、観光産業ではIT化の遅れなどによる生産性の低さや旧来型の事業モデルへの依存といった課題がある。解決の方策をめぐり、関係団体や有識者が議論を重ねていた。

 観光地の面的な再生・高付加価値化の推進では、宿泊施設の改修や廃屋撤去等への支援内容を見直し、キャッシュレスやMaaSなど面的なDX化も支援対象とするなど、制度の拡充や法整備を含めたさらなる施策を求めた。面でのDXは持続可能な観光地経営にも不可欠とする。マーケティングの強化で収益最大化、経営効率化を図るほか、地域一体となった取り組みの推進に向け、DMOの貢献度を客観的に把握・評価する手法を検討すべきなどとした。

 宿泊業では、家業的な経営形態からの脱却を促す。企業的経営に関するガイドラインを策定し、それに則った経営への積極的な支援措置を求めた。

 旅行業ではビジネスモデルの転換を促すため、その土地ならではの観光資源を生かした旅行商品の造成・販売を継続的・発展的に支援すべきとした。また、新たな市場を開拓するため、アドベンチャーツーリズムに関する商品造成や、サステナブルツーリズム、ユニバーサルツーリズム、ワーケーションなどへの取り組み強化を指摘した。