2022年6月13日 12:00 AM
豪フライトセンター・トラベル・グループ(FCTG)の主力部門で法人旅行大手のFCMトラベルは日本法人を本格的に始動した。10年以上にわたり日本の旅行会社との提携を通じて市場にアプローチしてきたが、NSFエンゲージメントと合弁会社を設立し、体制を強化した。出張管理を包括的に行うBTM(ビジネストラベルマネジメント)は外資大手がひしめくが、FCMトラベルジャパンの白石憲一ゼネラル・マネージャーは「日本のBTM 業界の上位3社に入ること」を目標とした。
5~7年後の達成を目指す。取扱額300億円をひとつの目安とし、既存顧客に利用拡大を働きかける一方、製造業など大手日本企業の新規契約獲得を進める。既存顧客はすでに、FCMがグローバル契約を結ぶ企業の日本支社約80社とソニーグループ約80社の有力な基盤がある。NSFエンゲージメントはNTTファシリティーズとソニーピープルソリューションズが立ち上げた総務領域の会社で、FCMトラベルジャパンが設立に伴い旅行事業を承継した。
強みとするのが予約から経費管理、報告・分析、危機管理まで行うプラットフォームとモバイルアプリ。スマートフォン1つで出張中の変更への対応や安全情報などの取得が可能だ。日本の企業はアナログ式が残るが、白石マネージャーは「海外と大きな差が生じており、日本の出張を変えたい」と意欲を示す。コロナ禍で危機管理の必要性が高まり、「BTMのニーズが広がり、変化のチャンスはある」(同)。
コロナ禍で商談や会合はオンラインに一部代替された。ただ、企画や開発では対面が好まれ、影響は限定的とみる。海外出張は夏以降に上り坂に向かい、「23年にはいい線まで戻るのではないか」と予想している。
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