カナダ観光局、量から質へ転換 ライリー副社長「受け入れ側も重視」

2022.05.16 00:00

ライリー副社長

 カナダ観光局のモリーン・ライリー国際市場担当副社長がこのほど来日し、今後の方針について説明した。カナダ政府は4月以降、2回のワクチン接種者は新型コロナウイルス検査結果の提出が不要となるなど入国措置を緩和。これに伴い、観光のプロモーション活動を活発化している。

 ライリー副社長はコロナ禍を経てカナダではツーリズムへの考え方が変わったと明かした。「観光はカナダの人々の生活の質の向上に貢献し、観光客の人生も豊かにするもの」と新たなミッションを定め、受け入れ側の意見も重視する姿勢に転換。訪問者に関するアンケートを定期的に実施して住民の満足度を測定し、地域で観光の価値を伝える活動も始めた。カナダ先住民観光協会の提案でサステナブルを超えたリジェネラティブ(再生)の概念も戦略に取り入れたという。

 今後は交流を求める人、サステナビリティーを大事にする人を呼びたい意向。目標値にも受け入れ側の満足度を含めた。日本市場の回復は24~25年とみていたが、規制緩和や航空便の状況によって早期の回復を見込めるとした。

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