プラ新法、大手ホテルの対応加速 材質変更やアメニティー不使用の提案

2022.04.04 00:00

プリンスはアメニティーの不使用を提案

 4月1日のプラスチック資源循環促進法施行に伴い、使い捨てプラスチック製品の削減に向けた取り組みがこれまでに増して加速している。その具体策は、環境省がガイドラインで幅のある選択肢を示していることもあり、大手ホテルチェーンでもさまざまな対応や工夫の違いが見られる。

 帝国ホテルは客室アメニティー等の一部を竹製・木製など代替素材に切り替えることを中心に、直営4ホテル(東京・大阪・上高地・柏)において、同法が宿泊業で指定する対象12品目のプラスチック使用量を19年度比で約11トン(70.2%)削減する。歯ブラシは竹製にして81.0%削減、ヘアブラシは木製にすることで79.9%の削減を見込む。現在の在庫がなくなり、すべて切り替えが完了する24年度以降は12品目合計での削減率が87.5%に至ると試算している。

 西武・プリンスホテルズワールドワイドは、客室に設置している使い捨てアメニティーについて宿泊客に使わないことを提案。連泊時の客室清掃を行わない取り組みも進め、いずれの場合も協力が得られれば、一定額を各施設が立地する自治体の環境保全活動に寄付する。歯ブラシ等のアメニティーは、使い慣れたものの持参を呼びかけ、将来的には使い捨てアメニティーの提供終了を目指す。

 ゴルフ場では脱衣所の使い捨てアメニティーを撤去したほか、各施設のテイクアウト等で使用するフォーク・スプーンを木製等の素材に順次変更する。 両ホテルともこれまでプラスチックごみ削減など、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を基盤として環境に配慮した取り組みや活動を積極的に進めてきたが、新法施行を機にさらに拡大・深化させる。

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