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空港を太陽光発電の一大拠点に 国交省、脱炭素社会実現へ支援措置

2022年3月14日 12:00 AM

 国土交通省は航空分野の脱炭素化を推進するため、航空法等の一部を改正する。航空会社と空港などが相互に連携しながら脱炭素化を実現する新たな仕組みをつくる目的で、改正法案を今国会に提出する。

 国が策定する航空脱炭素化推進基本方針を踏まえ、航空会社は低燃費機材や持続可能な航空燃料(SAF)を導入する推進計画を、空港管理者は太陽光発電設備の整備や航空灯火のLED 化など再エネ・省エネ等の推進計画をつくる。それぞれを国が認定する制度を創設して特別措置を講じる。

 注目は空港における脱炭素化の取り組みで、空港を太陽光発電の拠点として最大限に活用する。国が空港内外に所有する未利用地や建物の屋根部分などのスペースを空港管理者や自治体等に貸し出し、太陽光発電パネルなどを設置できるようにする。空港は航空機運航のための広い敷地があり、周辺に国が所有する未利用地も少なくないことから、再エネ拠点としての潜在力が高いと見ている。

 国は30年までにJR山手線内の約4割に相当する2300ヘクタールに発電出力230万キロワット分の太陽光パネルの設置をもくろむ。100万トンのCO2削減を図り、空港全体でカーボンニュートラルを実現する道筋を描いている。

 空港ではこのほか、CO2削減への取り組みとして、施設の照明のLED化や空調の高効率化、航空灯火のLED化率100%、GSE車両(航空機地上支援車両)の電気自動車化なども推進する。

 近年、気候変動問題への対応など、持続可能な社会の実現は国際的に喫緊の課題となっている。日本の航空分野でも取り組みを強化するとともに、航空会社や空港の国際競争力を高める狙いもある。