2022年2月28日 12:00 AM
政府は、オミクロン株の流入抑制のために行ってきた水際対策を3月から緩和し、外国人の新規入国をビジネス目的や留学生を対象に認めることとした。待機日数も短縮し、入国者数は1日3500人から5000人に引き上げる。鎖国状態からの脱却に期待が高まるが、観光目的の入国は依然として対象外で、訪日旅行の再開は見通せない状況にある。一方で、帰国後の自己隔離期間が足かせとなっていた海外旅行にとっては、光明が見えてきた。
「観光目的の入国再開は、国内外の感染状況や主要国の水際対策の状況、日本の検疫体制の実施状況などを勘案しながら、外国人の入国全体を議論するなかで政府全体で次に検討すべき課題」。訪日再開に向けた方針に関し、観光庁の和田浩一長官は2月22日の定例会見で、首相発言の内容に重ねてこう述べた。再開への第一歩となるのが行動管理型モニターツアーだが、「今後の状況をよく見ながら関係省庁と相談していく、ということ以上に現時点で言えることは残念ながらない」(同)。国内観光需要喚起策の新たなGoToトラベル事業も「適切な時期」をうかがう。
2年以上に及ぶ移動制限で観光関連事業者は瀬戸際に追い込まれている。観光庁は観光立国推進基本計画の策定にも慎重で、今後の政策ビジョンやロードマップが示されない状況に産業界からは提言が相次ぐ。日本商工会議所は、早期の策定に加えて計画期間中でも必要に応じて見直す柔軟性を求めた。
一方、海外旅行はようやく一歩を踏み出せそうだ。ワクチン3回接種者は、オミクロン株の非指定国から帰国する場合は待機が免除され、感染拡大が続く指定国からの帰国でも3日で済む。外国人受け入れを再開する国も増えつつある。
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