22年はメタバース移行が進展 ユーロモニターのトレンド予測 デジタルシニア対応も不可欠

2022.01.31 00:00

 市場調査会社のユーロモニターインターナショナルは22年に注目すべき世界の消費者トレンド予測で、メタバースへの移行、デジタルシニア、気候変動に敏感な消費者などを挙げた。コロナ禍を経てライフスタイルが大きく変化するなか、安全や地球環境に配慮したうえで思い切った決断をするようになり、行動力とアクセスがトレンドの原動力になっていると分析する。

 コロナ禍で外出等が制限されるなか、オンライン交流が盛んになったが、その流れはいま、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)のヘッドセットを装着して3D仮想空間を探索するメタバースへの移行が進んでいると指摘。3D仮想空間では旅、ゲーム、各種イベント等を楽しめるが、そこでは自分のアバターを通じて世界中のユーザーとつながれる交流とコミュニティー形成が重要視されている。AR・VRヘッドセットの世界での売上高は17年から21年の5年間で56%増加しているという。

 コロナ禍では高齢者もオンラインの利用を強いられたが、いまではテクノロジーに慣れ親しんだデジタルシニアが増えている。60歳以上のスマートフォン所有者は昨年82%に上った。オンラインの利用はウェブページの閲覧や買い物にとどまらず、人との交流、健康診断、資産管理、学習などさまざまな分野に広がっており、ニーズに対応したサービスの提供が求められている。

 低炭素社会の実現への取り組みが定着し、気候変動に敏感な消費者も増えている。21年には世界の消費者の35%が積極的に二酸化炭素排出量の削減に努めたとしており、購買意思決定や行動にも影響を及ぼしている。これらの消費者を取り込むためには、カーボンフットプリント認証を受けた製品の提供が重要などと指摘した。

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