東京と大阪が観光振興でタッグ 産業の発展へ包括連携、万博までの4年を重視
2021.12.20 00:00
東京観光財団と大阪観光局は12月13日、日本の観光の牽引役として成長と発展に貢献すべく包括連携協定を締結した。東京オリンピック・パラリンピックが開催された21年から大阪・関西万博が開催される25年までの4年間を観光需要の回復のみならず、持続可能な観光への対応を着実に進めるべき重要な期間と位置付ける。官と民の間に立つ観光推進組織の役割と重要性が増すとみて、情報交換や交流を進め、持続可能な観光やマーケティング手法などに関わる研究・開発、コンテンツ開発などに共同で取り組む。
特定の事業や誘客施策に限らず、広範な分野で他の観光推進組織と協定を結ぶのは、両者にとってこれが初めて。プロモーションでは、すでに旅行口コミサイトで両地域の隠れた魅力を周知する旅行記投稿キャンペーンを展開しているが、準備が整い次第、各分野の取り組みに着手する。なかでも社会的要請が高まる持続可能な観光を推進するうえで観光推進組織は重要な役割を担っており、今後の取り組みが注目されるところだ。
とりわけ万博を控える大阪にとって、オリパラの経験を有する東京と連携する意義は大きい。無観客になったとはいえ、大型イベント開催に向けた準備はもとより、会期中のボランティアの運営、障害者など誰でも移動しやすい環境の整備は貴重なノウハウだ。大阪観光局は「特にユニバーサルツーリズムはパラリンピック開催で東京が進んでいる。知見や実例を享受していきたい」(マーケティング事業部)と期待を寄せる。
包括連携協定は、両組織と両地域にとどまらず、他の地域の観光の成長・発展に貢献することも目的とした。「共に日本の観光をリードする」と意欲を示している。
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