旅行予定者の約半数が多頻度層 リクルート調査、ワクチン接種でも様子見4割

2021.11.08 00:00

 新型コロナウイルスの新規感染者数が急減した9月末、人々の旅行への意欲も着実に増していたことが明らかになった。リクルートのじゃらんリサーチセンターが定期的に行っている「新型コロナウイルス感染症による旅行市場への影響」調査によると、最新の9月27~28日調査で旅行意欲があると回答した人の割合は65.6%で、GoToトラベルキャンペーン実施中の20年10月より高く、20年3月の調査開始以降で最大となった。

 このうち、意欲だけでなく実際に旅行の予定がある人は、コロナ禍前に年3回以上旅行をしていた旅行好きが49.4%とほぼ半数を占め、年1回の16.6%の約3倍に達した。男女別では、男性の方が割合が高い。女性は「予定はないが事態が落ち着いたら行きたい」との回答が多く、様子見をしている状況だ。年代別比較では、旅行予定者は男女とも20代が最も多く、2位と3位は順位の違いこそあるがいずれも30代と60代・70代が占め、旅行に積極的な年代は似通っている。

 ワクチン接種の状況と今後の旅行計画を分析すると、接種者でかつ「旅行に行きたいが様子を見ている」層が39.3%で最多となった。前回調査の7月から24.4ポイントの大幅増で、接種後も旅行の実施には慎重な様子だ。

 じゃらんリサーチセンターの五十嵐大悟研究員は、「旅行好きな人の需要の獲得が重要となってくることがうかがえる」と指摘。また旅行意向者全体では、感染状況に応じた旅行を心がけていることがわかったとし、「安心・安全はこれまでどおり求められており、受け入れ側の地域・事業者には新しい生活様式に対応したおもてなしの実施が今後も重要な観点となる」と解説している。

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