Travel Journal Online

県民割、旅行需要喚起へ再開続々 群馬はワクチン接種有無で条件変更

2021年10月25日 12:00 AM

 緊急事態宣言の全面解除を受け、都道府県内の宿泊旅行代金を割り引く「県民割」が続々と再開されている。観光庁によると、停止中のGoToトラベルに代わる地域観光事業支援を活用した同事業は、10月19日時点で交付申請のあった42道府県すべてに交付を決定済み。一部の自治体では、ワクチン接種証明を活用した本格的な旅行需要喚起を視野に入れ、利用条件を見直したり意識調査を行う動きもある。

 群馬県は10月15日、愛郷ぐんまプロジェクトを再開した。ただし適用条件を変更し、ワクチン2回接種完了者もしくはPCR検査陰性者とその同居家族は1人1泊当たり5000円割引とする一方、未接種者や未受検者は3000円と差を設けた。

 政府がワクチン・検査パッケージを用いた技術実証を進めるなか、群馬県は全国に先駆けてモデルづくりに意欲をしており、接種証明にはLINEの機能を活用する。11月からは、市町村が発行する地域で使えるクーポンと連携する予定。日帰りキャンペーンの展開も視野に入れ、経済活動の再開に向けた需要喚起策を段階的に拡大する。

 北海道は感染防止対策を徹底する「新しい旅のスタイル」を10月15日から再開した。エリアを札幌市内、道央2地域、道南、道北、道東と計6つに区分し、各圏域内旅行が1万円を上限に最大半額となる割引特典を提供する。再開前と割引条件に変更はないが、旅行者と事業者の双方にアンケートの提出を求めている。

 政府の技術実証とは連動していないものの、道は「今後、感染防止対策から旅行需要喚起策へと移行していくなか、収集した情報を制度設計に生かしたい」(経済部観光局観光振興課)としている。

【あわせて読みたい】行動制限緩和へ、ツアーで技術実証 ワクチン接種・陰性証明を活用[1] 地域の感染対策と観光再開モデル[2]

Endnotes:
  1. 行動制限緩和へ、ツアーで技術実証 ワクチン接種・陰性証明を活用: https://www.tjnet.co.jp/2021/10/04/%e8%a1%8c%e5%8b%95%e5%88%b6%e9%99%90%e7%b7%a9%e5%92%8c%e3%81%b8%e3%80%81%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%81%a7%e6%8a%80%e8%a1%93%e5%ae%9f%e8%a8%bc%e3%80%80%e3%83%af%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%b3%e6%8e%a5/
  2. 地域の感染対策と観光再開モデル: https://www.tjnet.co.jp/2021/10/11/%e5%9c%b0%e5%9f%9f%e3%81%ae%e6%84%9f%e6%9f%93%e5%af%be%e7%ad%96%e3%81%a8%e8%a6%b3%e5%85%89%e5%86%8d%e9%96%8b%e3%83%a2%e3%83%87%e3%83%ab%e3%80%80win-win%e3%81%ae%e4%bd%93%e5%88%b6%e3%81%a5%e3%81%8f/