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クルーズのゆたか倶楽部、保育事業に参入 22年皮切りに複数施設運営

2021年10月11日 12:00 AM

松浦賢太郎代表取締役

 クルーズのゆたか倶楽部は保育事業に参入する。業界大手の学栄とフランチャイズ契約を結び、保育園と幼稚園、プレスクール、習い事が一体化した英語教育型保育園を開設する。22年4月をめどに、東京・鍛冶町の本社ビルの3フロアを使い、35人収容の施設を開く。同社売り上げの90~95%を占めるクルーズ販売はコロナ禍で甚大な打撃を受けた。影響の深刻化を見据え事業ポートフォリオの再構築を模索するなか、保育事業に自社の強みを見いだした。

 経済産業省の事業再構築補助金の支援対象に採択された。学栄が「English School イマジンJAPAN」のブランドで展開する施設の運営ノウハウと教材を用いる。園長やバイリンガルの講師は自社で採用し、保育士は採用のほか社内で育てることも検討する。

 松浦賢太郎代表取締役は保育に着目した理由について、「重要な社会インフラの1つ。旅行業との親和性も高い」と語る。特にコロナ下では医療従事者や共働き家庭を助け、ニーズは高い。社員の英語力や旅程など管理能力、きめ細かな対応力はそのまま付加価値になる。JR神田駅から徒歩数分の好立地を含め、学栄からお墨付きを得た。

 すでに2園目の立地調査に着手し、3園目も見据える。事業再構築補助金は5年以内に新規事業が総売上高の10%以上を占めることが求められ、コロナ前の売上高(15億~16億円)を踏まえると複数展開が必要だ。もっとも、好評ならばその先も視野に入れる。

 新規事業に乗り出すのは企業競争力を高めるためでもある。出産・育児などの経験を生かせれば、ライフステージが変わっても働く道筋ができる。松浦代表は「選ばれる会社にしたい」と意欲を示している。

【あわせて読みたい】旅専会長にクルーズのゆたか倶楽部代表の松浦賢太郎氏[1] 旅行会社と自治体の連携協定増加 新領域に活路[2] HISが相次ぎ新規事業、終活分野にも参入[3]

Endnotes:
  1. 旅専会長にクルーズのゆたか倶楽部代表の松浦賢太郎氏: https://www.tjnet.co.jp/2021/05/31/%e6%97%85%e5%b0%82%e4%bc%9a%e9%95%b7%e3%81%ab%e3%82%af%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%81%ae%e3%82%86%e3%81%9f%e3%81%8b%e5%80%b6%e6%a5%bd%e9%83%a8%e4%bb%a3%e8%a1%a8%e3%81%ae%e6%9d%be%e6%b5%a6%e8%b3%a2/
  2. 旅行会社と自治体の連携協定増加 新領域に活路: https://www.tjnet.co.jp/2021/09/20/%e6%97%85%e8%a1%8c%e4%bc%9a%e7%a4%be%e3%81%a8%e8%87%aa%e6%b2%bb%e4%bd%93%e3%81%ae%e9%80%a3%e6%90%ba%e5%8d%94%e5%ae%9a%e5%a2%97%e5%8a%a0%e3%80%80%e6%96%b0%e9%a0%98%e5%9f%9f%e3%81%ab%e6%b4%bb%e8%b7%af/
  3. HISが相次ぎ新規事業、終活分野にも参入: https://www.tjnet.co.jp/2020/11/09/his%e3%81%8c%e7%9b%b8%e6%ac%a1%e3%81%8e%e6%96%b0%e8%a6%8f%e4%ba%8b%e6%a5%ad%e3%80%80%e7%b5%82%e6%b4%bb%e5%88%86%e9%87%8e%e3%81%ab%e3%82%82%e5%8f%82%e5%85%a5%e3%80%80%e8%95%8e%e9%ba%a6%e5%b1%8b/