日本の競争力、清潔・食事に高評価も課題は多言語対応 コロナ被害は低評価
2021.10.04 00:00
公益財団法人日本交通公社(JTBF)と日本政策投資銀行(DBJ)は共同で、海外旅行先としての日本の競争力に関するレポートをまとめた。新型コロナウイルス収束後の訪日旅行再開に向け、日本の優位性などを確認することが目的。多くの市場で清潔さや食事が高く評価される一方、多言語対応は評価が低いことがわかった。
アジアと欧米豪の12カ国・地域が対象。20年12月に実施した調査を基に、訪日誘致の際に競合する国・地域とその理由を分析した。それによると、多くの市場で魅力として高く評価されているのは「食事」「観光地・観光施設」「宿泊施設」「ツアー・アクティビティー」。受け入れ環境整備面では「清潔さ」や「治安の良さ」が挙げられた。これらは競争力の高いコンテンツとして今後も維持・活用していくことが重要と指摘。特に清潔さはコロナ後も旅行者が敏感になる項目だとした。
ただ、市場によって高評価項目に違いもある。魅力面で、中国・台湾・韓国などリピーターの多い東アジアは「以前も旅行したことがあり気に入った」を挙げたのに対し、インドネシア・豪州は「リラックスできるリゾート地」、フランスは「買い物」だった。多くの市場で評価が低い多言語対応も、主要マーケットとして案内表示の充実に取り組んできた韓国での評価は高かった。
中国と台湾からの誘致を考える際、競合はタイと韓国で、特に韓国との明確な差別化を意識したプロモーションが必要と分析した。一方、韓国市場をめぐる競合は中国、台湾、香港、ベトナム、カナダと幅広い。日本は清潔・治安の良さが特に高評価だが、日本のコロナ被害が少ないという認識は低く、こうした点も考慮したプロモーションが必要だとした。
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