米国の旅行デジタル広告、20年は半減 今後も減少見通し

2021.09.06 00:00

 市場調査子会社のイーマーケターによると、米国における20年の旅行関連のデジタル広告支出は29.9億ドルに急落し、19年から30億ドル減少した。コロナ禍によって旅行が途絶え、マーケティングが予約ではなく衛生や安全、柔軟な変更規則に関連するメッセージに集中したことが要因。同社によると、20年にこれほど支出が急減した業種は他にない。21年は前年より5億5000万ドル多い35億4000万ドルに達すると予測している。

 19年の米国のデジタル広告支出全体の4.2%を旅行が占めていた。現在は2%未満と推定される。「米国の旅行業界は他の業界と同様にデジタル広告の支出が回復していない。出張や海外旅行の停止によるものだ。地域航空会社、中小規模のホテル、独立系旅行会社は予算が減少するにつれて閉鎖を余儀なくされる可能性がある」と同社は指摘する。

 特に出張や海外旅行の継続的な減少により、旅行のデジタル広告支出は今後数年間、大幅に減少し続けることが予想される。45億ドル規模に達するには23年までかかる見通し。18年の48億ドルに近づくが、19年の60億ドルをはるかに下回る。


この記事は米フォーカスライト運営のニュースサイト「フォーカスワイヤー」を基にフォーカスライトの牛場春夫日本代表が執筆したものです。参考記事(英文)はこちら。
「U.S. TRAVEL DIGITAL AD SPENDING TO REMAIN PARED DOWN FOR YEARS」