2021年9月6日 12:00 AM
日本で初めてとなるローコストキャリア(LCC)モデルでの地域ネットワーク航空会社、トキエアが22年の就航に向けて準備を進めている。新潟空港を拠点に、まずは札幌(丘珠)・仙台空港や愛知・関西等への就航を計画。使用機材の手配が整い次第、新潟/佐渡線、東京/佐渡線など、現在は定期便のない佐渡島発着の路線も開設する。
使用機材はプロペラを回すターボプロップ機のATR72-600(70人乗り)。滑走路の長さが890mしかない佐渡島へはより短い距離で離着陸ができるよう現在開発中のATR42-600S(48人乗り)を調達する。これらのターボプロップ機は座席数が同程度の小型ジェット機に比べて、空港の着陸料など運航コストを低く抑えることができる。
定期便に加えてチャーター便も積極的に展開する。さらに、客室の一部を貨物搭載用のスペースに短時間で換装できる仕様になっており、貨物輸送にも対応するなどで収入源を増やす。
LCCとして低運賃を提供できるようにするため、運航乗務員のコストも下げる。防衛省と連携し、副操縦士には民間航空会社より早い55歳で定年となる自衛隊の操縦士を採用する。
トキエアの長谷川政樹代表取締役は新潟県出身で、日本航空、新潟県庁、ジェットスター・ジャパン、三菱重工を経て現職。トキエアの事業は10年ほど前から構想を描き始めた。人口減少に伴い航空需要が小さくなるエリアで、どのようにすれば需要を拡大できるかという課題が、プランを考えるきっかけになったという。
いわゆる地域航空サービスはすでに北海道、九州、沖縄にもあるが、新潟をベースにしたLCCの就航により、新たな航空需要の開拓や地方創生への貢献などが期待される。
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