2021年9月6日 12:00 AM
使い捨てプラスチック製品削減に向け規制対象となる業種・品目案に、コンビニなどで配布されるスプーンなどに加え、宿泊施設の客室内にある歯ブラシ等が盛り込まれた。北陸地方の旅館は「期日に向けて取り組むことを社内会議で決議した。顧客満足度を下げない方策を探る」というが、中国地方のホテルからは「青天のへきれき。だだでさえコロナ対応に腐心するなか、インパクトが大きい」との声も上がる。
環境省・経済産業省が8月23日に示した政省令・告示案では、特定プラスチック製品の提供量が多く使用の合理化を行うことが必要な業種として、小売業や宿泊業、飲食店などが指定された。年間5トン以上提供する事業者が対象。環境省によると、「複数の施設を展開する事業者を想定している」(リサイクル推進室)。宿泊事業者関連では、プラスチック製の歯ブラシのほか、ヘアブラシ、かみそり、シャワーキャップなどを22年4月から規制。使用の削減や代替素材への転換を促す。
事業者には使用の合理化に向けた目標設定を求める。具体的には、特定プラスチック製品を提供する際、有料化や消費者の意思確認、不要とする消費者への特典還元、繰り返しの使用を促すなどの対応策を選択する。
すでに大手チェーンなどを中心に環境負荷を減らす取り組みは見られるが、宿泊事業者は来年4月に向けて対応を迫られる。ただ、有料化や廃止は「海外ではラグジュアリーホテル以外は歯ブラシなど付いていないので問題ないはずだが、日本では利用者がどう受け止めるか」(中国地方のホテル)。
規制業種と製品は9~10月にパブリックコメントを実施したうえで、今秋正式に決定。事業者向けガイドラインを作成し周知を図る。
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