妙高市、旅行者に3日に1回抗原検査 独自の安心・安全モデル強化

2021.08.23 00:00

 新潟県妙高市は8月から、市を訪れる旅行者に新型コロナウイルスの抗原検査を開始した。旅行者と市民の安心・安全を確保し、感染症対策と経済活動を両立させる観光地づくりの一環。昨年から、地域DMOの妙高ツーリズムマネジメントが中心となって「妙高モデル」と呼ぶ独自の感染予防対策を進めてきた。基盤が整ったため、一歩踏み込んだ形で実践する。地域内の事業者連携により新しい旅のスタイルを普及・定着させる観光庁の21年度実証事業に採択されており、結果を踏まえて強化し、訪日旅行の再開に備える。

 まず団体旅行を対象に開始した。8月初旬と中旬から合宿目的で訪れている20人規模の大学生各1組の協力を得て、現在実施している。検査は3日に1回行い、結果をアプリで通知する。市はけいなん総合病院など地域の医療機関と緊急時に対応する体制を構築済みで、民間救急サービスやタクシー会社などと連携し、症状のある人に専用車両での移動手段も確保した。

 旅行前後の体調管理も行う。3日前から体温や風邪症状の有無などをアプリで記録する。データは市側が確認して対応できるようにした。旅行後1日のデータも管理する。

 市は昨年、医療機関監修の下で独自の感染対策基準を作成した。これに基づき観光関連事業者に査察を行い、合格した施設に合格証を交付・公表するなど安全の可視化を推進。市民にも感染予防の徹底を促し、旅行者と受け入れ側の双方で対策を強化する。

 市観光商工課によると、抗原検査は9月末までにさらに4団体で行われる見通し。個人旅行者には9月ごろから開始したい意向だ。実証実験では、検査体制や費用負担などについて検証することとしている。