JATA菊間会長「難局乗り越える」 就任会見で所信表明
2021.08.09 00:00
JATA(日本旅行業協会)は坂巻伸昭前会長の死去に伴い、菊間潤吾副会長(ワールド航空サービス代表取締役会長)が会長に就任した。任期は22年6月中旬開催予定の定時総会まで。菊間氏は12年から2年間、会長を務めており、今回が再登板となる。8月5日の就任会見では、「旅行業界にとって、この1年は大変重要な年になる。前会長の遺志を引き継ぎながら、難局を乗り越えていきたい」と所信を表明した。
旅行各社はコロナ禍前と比べ旅行取扱額が85~90%減の状況が続いている。特に会員の7割以上を占める中小旅行会社は存続の危機に瀕する。雇用調整助成金の特例措置の延長に限らず、金融機関による支援策などを国に要望する。これと並行して、唯一の光と位置付けるワクチンについて、接種証明の活用を国に働きかける。「2回接種完了者に旅行を認めるなど、明確な行動指針を設けるように国が舵を切ってくれるとありがたい」と注文も付けた。
海外旅行は集団免疫を獲得できる12~1月ごろを目指し再開にこぎ着きたい考えで、主要国との協議を順次進める。当面のよりどころとなる国内旅行は、GoToトラベルが停止中のなか、約30の県が地域観光事業支援措置を使った県民割を行っている。これを県をまたぐエリアに広げることも求めた。
コロナ後は「旅行業にとってチャンス」とも話した。訪日旅行は会員の取り扱いが少ないが、再開後は管理型ツアーが求められるため、「再開をリードすることでシェアを伸ばせる」とみている。
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カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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