消費税免税店、半年間で400店減 インバウンド消失の影響大きく

2021.07.12 00:00

 全国の消費税免税店が減少に転じた。観光庁のまとめによると、3月末時点で5万4722店で、半年間で412店の減少。消費税免税制度は外国人観光客の消費拡大を狙い14年10月に消耗品が免税対象に加わって以降、店舗が急増し、訪日旅行市場の拡大に比例してプラス成長を続けてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大により訪日需要がほぼ消失。事業から撤退するケースが増えているとみられる。

 全国47都道府県のうち、33都府県で減少した。3大都市圏は前年9月から179店減の3万4168店。地方部は減り幅がさらに大きく、233店減の2万554店となった。

 減少店数が最も多かったのは東京の109店。福岡(49店減)、神奈川(39店減)、北海道(38店減)、兵庫(36店減)、千葉(29店減)、沖縄(27店減)と続く。もともとの免税店数が多いこともあるが、訪日外国人旅行者が多い地域での減少が目立っている。

 主要都市では昨年、空港型市中免税店が相次ぎ閉鎖し、7月の福岡デューティーフリー天神に続き、10月には髙島屋が全日空商事・ホテル新羅と東京・新宿で展開していた大型店が撤退を余儀なくされた。

 一方で、免税店が増加している県もある。愛知や大阪など11府県で、愛知は最多の23店増となった。大阪は18店増、地方では宮崎も10店増えた。このほか、福島、岐阜、佐賀の3県は変動がなかった。

 地方運輸局の管轄地域別に見ると、中部は唯一プラス。福井が減少した一方、愛知のほか、静岡と三重もわずかながら増えた。これに対し、減少率が大きかったのは四国で、香川が11店減となるなど、4県すべてで数を減らした。

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