JATA、感染症検査のツアー活用へ手引書作成 実証実験の知見盛り込む 

2021.06.21 00:00

 JATA(日本旅行業協会)は会員8社が実施した新感染対策モニターツアーの結果を踏まえ、「国内団体旅行における民間スクリーニング検査の活用に係る手引き」を作成した。モニターツアーは、旅行者の安心・安全を確保し、地域も安心して受け入れることができる新しい旅の形を検証する目的で実施。そこで得られた知見を手引きにまとめ、観光庁の感染症対策担当者の意見も盛り込んだ。今後、JATAとANTA(全国旅行業協会)の会員旅行会社に周知を図る。

 モニターツアーは、感染状況により催行を中止した旅行会社があったため、当初予定していた12社から4社減った。10~90代の計154人が参加し、60~70代が約60%を占めた。手引きには、PCR検査など民間スクリーニング検査を活用する際の事務フローや留意点をまとめ、募集型企画旅行での取り扱い例も記載した。

 モニターツアーを実施したワールド航空サービスは、4月から陰性証明をツアー参加条件としたことにより、これまで感染が心配で動いていなかった人が相当数動きだしたという。松本佳晴代表取締役社長は「国内旅行にとどまらず訪日旅行や海外旅行にも生かしたい」と意欲を示した。7月中は PCR検査をセットで販売するものの、ワクチン接種の広がりを見て、2回接種を終えた接種済み証明を陰性証明に置き換える運用も検討している。

 一方、読売旅行は、「PCR検査は安心・安全の面で効果があるものの、すべての旅行商品に付けるのは難しい」(坂元隆代表取締役社長)と見ている。今後はオペレーションにかかる負荷や価格を考慮し、高額商品でPCR検査やワクチン証明を付けたツアーを企画していく考えだ。

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