訪日喚起にオンラインツアー有効、実施率向上と事業者連携が鍵

2021.06.07 00:00

 公益財団法人日本交通公社(JTBF)と日本政策投資銀行(DBJ)が実施した訪日外国人旅行者の意向調査で、新型コロナウイルス収束後に旅行したい国・地域として、日本は引き続きトップと人気が高いことがわかった。コロナ禍の影響が長期化するなか、観光地としての競争力強化に加え、外国人が現地で行える訪日意向の喚起につながる活動の必要性を指摘している。

 調査は20年12月、中国、台湾、米国、豪州、英国など12カ国・地域に住む海外旅行経験のある20~59歳の男女6139人に実施した。同年6月に続き2度目。次に海外旅行したい国・地域を尋ねたところ、57%が日本を選び、2位の韓国(32%)を大きく上回った。アジアでは67%を占め、欧米豪では前回を12ポイント上回る36%だった。

 日本の競争力を地域別に見ると、食事のおいしさ、清潔さ、治安の良さはどの地域からも高く評価されている。一方、ナイトライフは全体的に評価が低い。さらに東南アジアでは長期滞在、欧米ではリラックス、豪州では体験したいアクティビティーや長期滞在に対する評価が低かった。

 コロナ禍で外国人が現地で実施した日本に関する活動は、日本食体験(57%)や日本のテレビ番組・映画(44%)が上位となった。一方、日本国内を紹介するオンラインツアー参加はわずか9%。ただし、訪日意向を喚起する効果の大きさで測ると、オンラインツアーは85%でトップとなった。

 JTBFは実施率の高い活動にいっそう取り組むと同時にオンラインツアーの実施率を上げる必要性を指摘。たとえば、自治体や観光地域づくり法人(DMO)と現地飲食店が連携し、郷土料理を体験できる内容とするなど、多様な関係者間の連携を挙げた。

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