2021年5月31日 12:00 AM
統合型リゾート(IR)の誘致をめぐり、自治体が公募する運営事業者の辞退や見送りが相次ぎ、混沌とした様相を呈してきた。ギャラクシー・エンターテインメント・グループは横浜市が計画するIRへの応募見送りを決定。サンシティグループホールディングスジャパンは和歌山県の開発計画への参加を辞退した。サンシティはコロナ禍を理由に挙げており、日本から一時撤退となる。ギャラクシーは理由を明かしていないが、「世界水準のIRを日本に作り上げるという目標を達成するため対話を継続する」と強調した。
横浜は1月に事業者公募を開始し、2月時点での応募は1社のみと発表していた。「締め切りである5月末には、あらためて応募事業者数を発表する」(IR推進課)としている。事業者の決定は夏ごろを予定している。
和歌山県はサンシティの辞退を受け、応募企業がカナダのクレアベストニームベンチャーズ1社のみとなった。追加公募の予定はない。遅くとも6月20日ごろまでには、選定結果を発表するとみられる。
一方、事業者選定について、「順調に進んでいる」(IR推進課)と話すのは長崎県だ。応募企業は、オシドリ・コンソーシアム、カジノオーストリアインターナショナルジャパン、ニキ・チャウフーグループの3社。夏には事業者を決定する。
大阪府・市は、MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループのみが名乗りを上げている状況に変わりはない。2月には追加公募を行ったが、応募事業者はなかった。事業者決定時期は他の自治体に比べ遅い9月ごろとしている。当初20年代の前半を予定していた開業時期も延期し、後半を想定している。
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