2021年4月26日 12:00 AM
日本商工会議所は観光関連産業の再活性化に向けた要望をまとめ、4月20日、赤羽一嘉国土交通相に手渡した。観光に関わる産業は裾野が広く、破綻の危機に瀕する飲食・宿泊事業者を中心に疲弊度を増す地域経済を懸念。重点要望として、事業継続に向けた支援金の拡充のほか、旅行・観光が感染拡大要因との風潮を科学的データに基づいて払拭し、「旅ごころ」を訴求することなどを盛り込んだ。
新型コロナウイルス感染症の早期収束が見通せない状況のなか、特に飲食・宿泊・旅客運送業は固定費負担が重く、売り上げの落ち込みが利益の減少に直結する。事業規模や影響度合いに応じた時短要請協力金の見直し、既往債務の据え置き期間延長などを要望した。
同時に、需要が回復しない限り事業の維持すら困難な状況にあるとの考えから、政府が科学的データを集約・検証し、公共交通機関での移動や旅行における正確なリスク情報の理解を促すことを求めた。また、感染が判明もしくはその疑いがある旅行者の検査・隔離・帰宅の対処マニュアル作りも提案。GoToトラベル事業は閑散期の需要喚起策として活用するなど、効果的かつ継続的な支援の強化を訴えた。
旅ごころの訴求は、需要回復期を見据えた持続可能性の観点が重要となる。東北6県の自治体や観光関係者と JRグループ6社が9月まで半年間にわたり展開している東北デスティネーションキャンペーンが一例。アウトドアなどのテーマで各県の観光コンテンツをつなぎ東北の魅力を創出している。
要望には、インバウンド回復を見据えた受け入れ体制の整備も盛り込んだ。具体策として、ワクチン接種やウイルス検査の証明に関する各国共通の仕組みの早期構築を訴えた。
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