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20年度倒産は旅行業15%減、宿泊業70%増に あきらめ倒産の増加危惧

2021年4月19日 12:00 AM

 東京商工リサーチ(TSR)によると、20年度(20年4月~21年3月)の旅行業の倒産は14.8%減の27件となり、過去20年間で最少だった。ただし、負債総額は295億6100万円と最大で、前年度の16億8200万円を大幅に上回った。旅行業で過去最大の倒産となったホワイト・ベアーファミリー(負債総額約278億円)が全体を押し上げた。

 原因は販売不振が18件で約8割を占める。倒産形態は消滅型の破産が21件で9割に上り、再建型の民事再生法はホワイト・ベアーのみだった。従業員数別では、5人未満の小規模企業が18件と約8割を占めた。

 渡航制限や国内の移動自粛が続くなか、旅行業を取り巻く環境は厳しく先行きが見通せない。TSR は「コロナ禍の発生から1年余りが過ぎ、関連融資も返済期限を迎える。資金調達が限界に達した企業のあきらめ倒産の増加が危惧される」としている。

 倒産が少なかった旅行業に対し、宿泊業は71.6%増の127件となった。7年ぶりの100件台。負債総額は前年に大型倒産が発生したことの反動で16.2%減の662億8500万円。民事再生法が3件にとどまる一方、破産が103件と倍増した。原因は販売不振が86件で7割近くを占める。従業員5人未満が61件で、旅行業と同様、小規模企業が目立った。

【あわせて読みたい】観光バスの倒産・廃業が過去最多[1] 旅行業者の自主廃業増加、静鉄観光やトラベル日本も[2]

Endnotes:
  1. 観光バスの倒産・廃業が過去最多: https://www.tjnet.co.jp/2021/02/22/%e8%a6%b3%e5%85%89%e3%83%90%e3%82%b9%e3%81%ae%e5%80%92%e7%94%a3%e3%83%bb%e5%bb%83%e6%a5%ad%e3%81%8c%e9%81%8e%e5%8e%bb%e6%9c%80%e5%a4%9a%e3%80%80%e9%9c%80%e8%a6%81%e6%bf%80%e6%b8%9b%e3%80%80%e5%ae%89/
  2. 旅行業者の自主廃業増加、静鉄観光やトラベル日本も: https://www.tjnet.co.jp/2020/11/23/%e6%97%85%e8%a1%8c%e6%a5%ad%e8%80%85%e3%81%ae%e8%87%aa%e4%b8%bb%e5%bb%83%e6%a5%ad%e5%a2%97%e5%8a%a0%e3%80%80%e9%9d%99%e9%89%84%e8%a6%b3%e5%85%89%e3%82%84%e3%83%88%e3%83%a9%e3%83%99%e3%83%ab%e6%97%a5/