東商、観光産業のコロナ禍克服へ重点要望 事業者支援の延長など

2021.04.19 00:00

 東京商工会議所は、観光産業の本格回復に向けた強力な支援や経済活動と両立するための感染拡大防止策の徹底などを柱に重点要望をまとめた。長引くコロナ禍で観光産業は未曽有の危機に瀕している。政府や関係各方面に提出し、要望の実現に向けて働きかける。

 事業継続に必要な当面の資金繰りと雇用維持のため、各種支援の延長・拡充を求めた。コロナ禍関連の融資を受けた企業の多くが据え置き期間終了を迎えるため。加えて、本格的な旅行再開に向け、安心・安全や需要創出に必要な設備投資への支援が必要とした。

 経済回復には国際的な往来の再開が重要として、空港検疫の大幅な拡充、検査条件や陰性証明書様式などの世界標準化と電子化、接触確認アプリの運用改善を促すべきとした。移動を認めるため、IATA(国際航空運送協会)などが実証実験を進める電子ワクチン証明書については、有効な半面、未接種者への差別を助長するとの懸念もあるため、諸外国の動きを注視しつつ日本の対応を早期に検討するよう求めた。

 レスポンシブルツーリズムも柱の1つ。旗振り役として地域に根差した担い手の育成が必要として、国が関係省庁や自治体、産業界と連携し、観光の意義や持続可能な社会について学ぶ観光教育の普及を求めた。

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