日本旅行、非旅行業分野を強化 異業種とアライアンス推進 店舗は半数に縮小

2021.03.29 00:00

 日本旅行は新型コロナウイルスの影響を受けた市場環境を踏まえ、25年度までの中期経営計画を見直す。非旅行業分野の強化を1つの柱とし、旅行代理店業から顧客と地域のソリューション企業への転換を目指す。デジタルの活用による新たな価値創造を図り、ウェブ販売を軸にJRセットプランの圧倒的地位を確立させる。一方、現在194ある店舗は22年12月末までに約90店舗と半数ほどに縮小する。

 22年度まではウィズコロナで生き残るための構造改革と位置づけ、100億円規模の経費削減を行う。社員数は22年度に19年度比で3割減らす。主に新卒採用の抑制やグループ外出向で対応し、当面、希望退職などを募る考えはないという。法人営業は地域の拠点を集約し、大都市シフトと大規模拠点化を推進する。

 23~25年度はその成果としてアフターコロナでの持続的成長を実現する。従来の旅行業からの脱却を図るため、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、非旅行業分野を含む異業種とのアライアンスを進める。システム、専門商社など幅広い分野を想定。25年度までにパートナーとの共創によるソリューションビジネスの収益を全体の70%にする(19年度は47%)。

 20年12月期連結決算の最終損益は127億円の赤字となった。前期は16億円の黒字。3月26日に代表取締役社長に就任し、新たに舵取りを担うこととなる小谷野悦光氏は「22年度までの早期黒字化を目指す」と述べた。

 強化するウェブ販売は、国内旅行ブランドの赤い風船で、19年度に38%だったウェブ販売比率を25年度までに70%まで拡大する。店舗はウェブとの連携やコンサルティング機能の強化に注力する。

【あわせて読みたい】JTB、黒字化へ大構造改革 HIS、国内事業4倍に拡大へ 初の最終赤字で構造変革 KNT-CT、21年3月でホリデイ・メイト終了へ