2021年3月22日 12:00 AM
国土交通省は4月1日、空飛ぶクルマなどを扱う専門部署である次世代航空モビリティ企画室を設置し、事業化の早期実現に向けた取り組みに本格的に乗り出す。具体的な活用ニーズを踏まえ、安全基準の整備などを推進する。民間企業では、有人飛行の成功やルート策定に向けた実証実験、機体量産化に向けた提携などの動きが進んでいる。23年の事業化を目指し、官民の取り組みが加速してきた。
国内でいち早く有人飛行を成功させたのはスカイドライブで、昨年8月にその様子を公開した。23年をめどに、2人乗りの空飛ぶクルマで5~10kmほどの飛行を目指す。今年1月には世界最大のテクノロジー見本市CESに出展し、商談を開始した。実現すれば、羽田と品川間を5~10分程度で移動できるようになる。さらに28年には機体の量産・商品化を視野に入れている。機体の量産化に目を付けたのはトヨタ自動車で、1月にスタートアップ企業の米ジョビー・アビエーションへの出資を発表。生産技術や電動化のノウハウを提供することで合意した。
有人飛行ルートとしては、一定の輸送ニーズが見込める東京都や大阪府の湾岸エリアが検討されている。大阪府については、25年に開催される大阪・関西万博に併せて、万博に訪れる富裕層の空港や駅と会場間の移動手段として活用したい意向。21年度予算に関連経費2000万円を盛り込んでおり、府内で実証実験をする事業者には1件500万円を上限に支援する。
実証実験の誘致については、三重県も21年度予算で2100万円を確保した。それに先駆け、1月には中日本航空や名古屋鉄道、ANAホールディングスが協力し、ルート策定に向けた実証実験を行った。
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