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日観振、日本の観光再生を宣言 事業・雇用維持へ 地域と団結呼びかけ

2021年3月8日 12:00 AM

山西会長(左から3人目)をはじめ、旅行や鉄道、宿泊
の会社経営を担う副会長らが登壇し、再生を宣言した

 日本観光振興協会は、コロナ禍で厳しい状況に陥っている観光業界が地域と一丸となって危機を乗り越えるため、日本の観光再生宣言をまとめた。感染予防対策に徹底的に取り組み収束に寄与するとともに、既存概念を打ち破る新たな観光を創出し、事業と雇用を維持する。業界の回復力を高めるため生産性の向上にも努め、地域社会の発展に貢献する。

  3月1日に記者発表を行った山西健一郎会長(三菱電機特別顧問)は、「観光は日本の地域経済にとって重要な役割を果たす基幹産業」と述べ、裾野が広く地域経済の下支えになっている点を強調した。新たな観光としてワーケーションやMaaSなどを推進する意向で、そのためにも業界と地域がいっそう一致団結する必要があるとした。

 命と経済活動の対立を避けるため感染予防対策に力を入れ、旅行者へのエチケットの浸透や DMO(観光地域づくり法人)を中心に地域の医療と観光機関が連携する仕組みづくりを進める。GoToトラベル事業は感染状況が一定程度収まった地域からの再開に期待しつつ、「キャンペーンによる感染と効果をデータに基づいて分析する必要がある」(髙橋広行副会長= JTB取締役会長)との構えも示した。

 業界の生産性向上については、ペーパーレス化やキャッシュレス化がまだまだ進んでいない。人手不足の解消や稼げる分野にするためにネットワーク化の推進が必要として、DX(デジタルトランスフォーメーション)やビッグデータを活用し、電子決済やパーソナルで多様なニーズに対応するプラットフォームの構築を促す。

 また、地域社会の発展については、幅広い業種との連携や共創を強く働きかけていく意向だ。