2021年3月8日 12:00 AM
ビットコインの急騰がニュースをにぎわせている。その価値は1ビットコインで約5万ドル。1年前は約1万ドルだった。ただ、旅行業界では少数の旅行会社しか決済に取り入れていない。
13年に開始したOTA(オンライン旅行会社)のチープエアは当初、第三者を介してドルに変換し、法定通貨しか受け付けないサプライヤーに支払っていたが、最終的に独自の処理技術を構築した。ジェフ・クリーCEOは、暗号通貨は依然として売り上げの1桁の割合だが、「利用客は非常にロイヤルティーが高く、高額商品を購入する傾向がある」という。
スペインOTAのデスティニアのリカルド・フェルナンデス部長は、売上高の約2%だがニッチな顧客を獲得できたと述べている。しかし、以前は価格が高いほど予約も多くなったが、20年以降は価格が上昇すると投資と見なされるため予約数は減少するという。
豪OTAのトラヴァラは交換を管理する技術を構築し、予約の70%が暗号通貨。ジュアン・オテロCEOは「クレジットカード払いに関するすべての問題とコストが取り除かれる」と話す。
ただ、リスクがないわけではない。ワールドペイのトーマス・ヘルドーフ副社長は「法定通貨に変換するまで価値が変動し、利益が大幅に侵食される可能性がある」と指摘する。一方で、一部の国や中央銀行が独自のデジタル通貨の発行に意欲的なため、「旅行業界はデジタル決済を旅行記録に接続するための標準とシステムの開発に向け、準備する必要がある」と述べている。
この記事は米フォーカスライト運営のニュースサイト「フォーカスワイヤー」を基にフォーカスライトの牛場春夫日本代表が執筆したものです。参考記事(英文)はこちら。
「As Bitcoin surges, will cryptocurrency become an accepted form of payment in travel?」[1]
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