日観振、新たな観光呼びかけ 百貨店協会が取り組み紹介

2021.02.08 00:00

 

 日本観光振興協会は1月25日、新春観光フォーラムをオンラインで開催した。テーマは「新しい観光スタイルの挑戦」。開会の挨拶で山西健一郎会長は、「観光業界は逆風が吹いているが、地域経済に重要な役割を果たす数少ない成長分野」と重要さを強調し、事業者と地域が協力し、新しい観光スタイルを築く必要性を述べた。

 キーパーソンによる新春会談では、日本百貨店協会副会長でJ.フロントリテイリングの好本達也取締役兼代表執行役社長が登壇し、コロナ禍前のインバウンドと百貨店の関係性に言及した。19年の百貨店外客売上高は約3500億円で訪日外国人消費額の約7%を占めるが、「インバウンドと結びつきの強い百貨店は一部に限られていた」と述べ、自社グループのデータに基づき、特徴的な3つの偏りがあると指摘。顧客の国籍は中国が85%、品目は化粧品が55%、立地では関東・近畿が86%との数値を示した。

 同グループでは、ニューノーマル時代の観光に資する百貨店に変革するためのプロジェクトを展開しており、一例として九州探検隊を紹介した。九州・沖縄の大丸で119市と協力し、地産の商品を発掘・紹介し、九州全体の活性化を目指している。ユーチューブなどで生産者の声を届けるなど、ECサイトや物産展で販売する商品にはストーリー性を持たせている。百貨店を1つのメディアとして考え、ローカルの情報をグローバルに発信する狙いがある。

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