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19年国際会議、五輪効果で過去最高の3621件 横浜市121件増

2020年12月7日 12:00 AM

 日本政府観光局(JNTO)によると、19年(1~12月)に国内で開催された国際会議件数は3621件となり、前年から5.5%(188件)増え過去最高を記録した。参加者数は8.4%増の199万3790人で、14年に続いて過去2番目に多かった。外国人参加者は1.8%増の21万3394人。JNTOは今年予定されていた東京オリンピックを控え、誘致が進んだ結果と見ている。

 調査対象は国際機関・団体・国家機関、国内団体が主催した参加者50人以上、日本を含む3カ国以上の会議。都市別の開催件数を見ると、東京23区の561件を筆頭に神戸市(438件)、京都市(383件)、福岡市(313件)、横浜市(277件)と続く。上位5都市での開催件数が全体の過半数を占めている傾向に変わりはない。

 伸びは横浜市が121件と最大で、増加分の約6割に相当。成長の牽引役となり、開催件数の順位を1つ上げ5位に浮上した。そのほか、上位10都市の順位に変動はなかったものの、札幌市は7件、東京23区は84件減少した。

 横浜市の増加要因として、8月にパシフィコ横浜で開催された大型国際会議のアフリカ開発会議(TICAD)が挙げられる。横浜観光コンベンション・ビューローによると、TICAD関連会議は100件を超えており、大型以外にも小・中規模の会議が増えたことが全体を押し上げた。外国人参加者は、68.3%増の2万7919人と大幅に増加した。

 新型コロナウイルスの流行で、MICEは現在、オンラインを取り入れたハイブリッド化が進んでいる。観光庁は収束後も見据えた国際会議のあり方やその実現に向けたテクノロジーの調査を進めており、JNTOは最新動向や主催者ニーズの把握に取り組む意向を示している。