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JATA調査、訪日再開希望は五輪前までが約8割 国や自治体に働きかけ

2020年11月23日 12:00 AM

 JATA(日本旅行業協会)が発表したインバウンド旅行客受け入れ再開に向けた意識調査で、21年6月までに再開を希望する国内観光事業者や自治体が77.6%を占めた。JATAは「東京オリンピック前までに訪日を再開させたいという意向が強く出ている」(国内・訪日旅行推進部・山田和夫担当部長)として、開催前の早期の観光旅行再開に向け、国や自治体に働きかける。

 海外諸国との往来はビジネス目的が先行して始まっている。調査はレジャー目的の再開に向けて万全な受け入れ体制を構築する目的で、JATAと日本観光振興協会が主体となって実施。全国の観光関連事業者、自治体、DMO(観光地域づくり法人)などの従事者を対象に460人が回答した。それによると、受け入れ再開希望時期は21年4月以降(6月まで)が32.3%と最も多い。21年3月まで(27.9%)、20年年内(17.4%)とより早い段階も半数近くに上っており、五輪前がベンチマークとみられる。

 受け入れを想定する対象国・地域は、72%が台湾を選んだ。2位が香港の56%、3位が中国の52%で、タイや豪州も50%以上を占めた。再開に当たって重要だと思われる対策は、「ワクチンや予防接種の開発」が74.9%、「国として訪日客を受け入れる姿勢が明確であること」が71.7%と大多数。「入国可能な国際空港や港でのPCR検査の全実施」も58.1%を占め、国際的な往来再開に向けた運用ルールが重要視されている。

 希望する旅行形態は個人レジャーの旅程管理型旅行がトップで、団体レジャーの旅程管理型旅行と続く。管理型旅行を求める声は、回答の多かった上位4都府県(東京、大阪、京都、愛知)を除くその他地域で、より高い傾向にある。