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宿泊業の倒産、上期2.5倍 零細企業から中規模へ拡大

2020年10月26日 12:00 AM

 東京商工リサーチ(TSR)によると、上期(4~9月)の宿泊業の倒産件数は前年同期比53.6%増の71件となり、上期としては3年ぶりに前年同期を上回った。負債総額は449.3%増の433億6500万円。平均6億1000万円で、前年同期の2億8100万円から2倍以上に拡大した。小・零細規模の倒産から中規模への拡大がみられるという。新型コロナウイルス関連の倒産が全体の約6割を占め、飲食業に次いで多い。

 原因別では、販売不振が全体の6割を占め、次いで赤字累積が多い。再建型倒産は1件のみで、破産が8割に上っている。

 4~6月に比べて7~9月は倒産件数が減少しており、TSR は政府の各種助成金や金融機関を通じた支援策、GoToトラベルキャンペーンの効果が一時的に下支えした可能性を指摘する。ただ、地域や施設によって需要回復に偏りがあることから、「淘汰が進む可能性を否定できない」としている。

 一方、旅行業は33.3%減の6件にとどまり、上期では01年以降の最少だった。負債総額は282億9400万円に上るが、過去最大規模の倒産となったホワイト・ベアーファミリー(負債278億円)が全体を押し上げている。

 ただし、旅行業は事業廃止を理由に旅行業団体を退会するケースが目立っており、倒産件数に反映されない自主廃業も多いとみられる。