2020年10月19日 12:00 AM
JR東日本は10月16日、在留外国人の需要獲得に向け、管内の新幹線や特急等が連続3⽇間乗り放題となる鉄道パスの販売を開始した。東京オリンピックに合わせて訪日外国人向けに販売を予定していたパスを活用する。同社が在留外国人をターゲットに本格的なプロモーションを行うのは初めて。技能実習や留学など中長期の在留者や永住資格を持つ外国人は19年末時点で計293万人に上り、未開拓の旅行市場への足がかりとなりそうだ。
設定期間は21年2月末まで。⽇本以外で発⾏されたパスポート所持者が対象で、料金は大人1万2000円、子供6000円。JR東日本の窓口をはじめ、訪日外国人向け予約アプリを運営するワメイジングのサイトで購入できるようにした。
周知に向け、専用ウェブページを開設したほか、在留外国人の支持が高いメディアや人気ユーチューバーによるライブ配信などを通じて情報を発信する。海外での鉄道パス販売で提携するOTA(オンライン旅行会社)と連携し、観光コンテンツの販売も行う。
JR東日本によると、在留外国人はこれまで、短期滞在を利用資格に求めない訪日外国人旅行者向けのパスを利用していたと推測される。これを契機に東北・信越への旅行需要を喚起するとともに、母国への情報発信の効果などを期待している。
在留外国人は増加傾向にあり、国内人口が減少するなかで成長が期待できる一大旅行市場だ。しかし、訪日旅行の潜在需要に働きかける情報源としての期待が高く、ほぼ未開拓といっていい。JR 東日本は今回のプロモーションの動向を踏まえ、今後のサービスを検討する方針。本格開拓の契機となる可能性も否定できない。
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