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HIS、約220億円の資本増強 ホテルやシステム開発に投資

2020年10月12日 12:00 AM

 エイチ・アイ・エス(HIS)は第三者割当増資と新株予約権の発行で220億円超を調達する。新型コロナウイルスの影響で20年10月期の第3四半期(20年5 〜7月)の旅行売上高は前年同期比71%減、連結純資産も前期末に比べ急減しており、資本調達で財務を安定させる。2期連続で経常損失を計上しないことなどを条件とするシンジケートローンの財務制限条項に抵触するリスクも鑑みた。

 増資は10月19日付で、香港の機関投資会社が運営するファンド、新株予約権は同ファンドと澤田秀雄代表取締役会長兼社長が引き受ける。調達額の内訳は増資で約80億円、新株予約権で約146億円。発行費用を差し引いた計約222億円が手取り額となる。

 調達資金はホテル建設やシステム投資に充てる。ホテルは旅行とハウステンボスに続く第3の柱で中長期的な戦略に変更はなく、21年9月以降に国内やウズベキスタンで開業する6軒に99億円を投じる。システム面では、航空券・ホテル・アクティビティーなどをグローバルかつBtoB に流通するプラットフォームの構築に60億円を充てる。

 20年10月期の連結最終損益は318億円の赤字(前期は122億円の黒字)と予想しており、02年の上場以来初の赤字となる見通し。