原優二のコロナ奮闘記vol.16 「ワンコインでいつでも検査」実現プロジェクト、3週間で賛同者1465人に!

2020.08.27 16:50

 「ワンコインでいつでも検査」実現プロジェクトを立ち上げ3週間が過ぎた。8月27日時点で1465人の方が賛同署名してくださった。この場をお借りして、心からお礼申し上げたい。1万人が当面の目標だから、まだまだだが、皆さんの力をお借りしながら、大きく広げていけるよう頑張りたいと思う。ぜひご協力をいただきたい。

 感染も少し収まってきて、9月には東京もGoTo適用になりそうな雰囲気である。雇用調整助成金も年末まで延長が決まりそうで一安心だが、「これが最後だぞ!」という意味なのか、1月以降は縮小する方針だという。とにかく年内に何とか海外旅行再開の道筋が少しでも見えてこないと、当社も含め限界を迎える旅行会社が相次ぎそうだ。

 7月27日、経済産業省はビジネス渡航にかかる陰性証明を行う医療機関の募集を開始した。8月7日にはPCR検査予約システムに関する開発・管理および運営等事業を実施する委託先の募集を始めた。これがスムーズに行われれば、10月にも陰性証明書を市中の医療機関で取得できるようになるかもしれない。もちろん感染症法に基づく行政検査ではないから、自由診療であり有料である。これが現在は高額で、1回4万円もするので、私はこれも含めて経済活動に陰性証明書を使える仕組みを作って、ワンコインで検査ができるようにしたいと考えている。

 世田谷区のように検査を無料で無症状者にもやろうという試みは動かない政府に比べれば賞賛したいが、経済活動に陰性証明書を使うという仕組みには恐らくつながらない。いま、私たちが欲しいのは、感染拡大防止と同時に自由診療の検査費用を大幅に低廉化し、陰性証明書を使って経済活動を維持・継続する仕組みである。

 8月25日、日本経済新聞が「自民党は、経済活動のために企業の従業員らが受ける自主的なPCR検査を対象にした費用助成を政府に要請する。海外渡航や対面業務で陰性証明が必要な場合、自主検査は保険適用がなく特に中小・零細企業には負担が重いとみる。2020年度第2次補正予算の予備費活用を念頭に置く」と報じた。こういう要求は実は至る所で出ているのである。一刻も早く実現してほしい。

 一方でここに来て、指定感染症を外し5類にして、インフルエンザと同じ扱いにしようという議論が出てきた。私もこれを随分考えたが、高齢者は感染すれば重症になる可能性が高いという現状から考えて、特効薬やワクチンができない限り難しいと判断し、ワンコインプロジェクトの中では取り上げなかった。感染症そのものを封じ込めるのではなく扱いを変えようというわけだが、少々乱暴な議論だと思う。第一、日本が変わっても世界保健機関(WHO)は変わらないし、感染が広がれば、往来の門を閉じてしまう国もあるのではないかと心配である。

原優二●風の旅行社代表取締役社長。1956年生まれ。東京都職員、アクロス・トラベラーズ・ビューローなどを経て、91年に風の旅行社を設立し現職。2012年からJATA理事、16年から旅行産業経営塾塾長を務める。

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